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脱力、爆笑。フリーダム世界への誘い -『100均フリーダム』-

『100均フリーダム』 内海 慶一 ビー・エヌ・エヌ新社


 クリスマス・プレゼントにもらう。実はとても気になっていた本(ラッキー♪)。

 アイテムもどんどん拡がり、実はちょっとした便利なアイデア商品も優れている100均ショップ。
 誰しもその世界に足を踏み入れれば、つい余計なものまで購入してしまう、なんとも不思議なファンタジーにあふれた空間…。

 これはその中でも、特にシュールな商品(小品)たちを極上のコメントで紹介したステキ本である。
 コンセプトは”フリーダム”。文字通り「自由」。

 見開き、または1ページにひとつずつ、「これはなに…?」「なんでこの形…?」「どうしてこのデザイン…?」といった、謎に満ち溢れた100円商品が、写真とほんの200字ほどのエッセイ(コメント?)つきで提示される。
 タイトルには商品名。それは実際に店でつけられていたもの、あるいは著者が名づけたものさまざまだが、思いっきり見た目”そのまま”で、まずはそのタイトルと画像に笑う。

 「黄緑色の眼のパンダ」「のっぽのコックさん」「なすびカー」「猿寿司」「瓶にサイコロ」「白熊のようなもの」「怨恨芸者」「サンタ・デ・ブードゥー人形」「ワイルド・シマウマ」などなど…。(これだけで見たくならないか?)

 たかが100円、されど100円。
 人はその安さに見合う、時には凌駕する商品ゆえに、満足をもって購入する。

 しかし、ここで紹介されているものたちは、何に役立つのかさっぱり分からない。
 あるいは、役立ったとしても奇妙なデザインや造り。たとえ「置物」というインテリアとして考えても、普通まず店で手に取ることはないだろう。
 そもそもどうしてこれが商品として店に並ぶことが許されたのか?制作者の思惑は、バイヤーの見込みは那辺にあるのか、と思うような商品ばかり。
 ボンド跡も激しいビーズで歪んだ目を付けられた人形、怨みがましい顔が怖い芸者の置物、寿司と一緒に海苔で巻かれた猿のぬいぐるみ…。

 でも、ここにこそ、100均の限りない魅力があふれていることを、著者は私たちに教えてくれる。
 その限りなきフリーダムな感性と、常識にとらわれない商品造りの”手技”の妙が、著者のセレクト眼と当意即妙なコメントによって、「究極のクリエイティブ」として目の前に現われる。

 有用性や存在意義を問うことはやめよう。
 そこに在るモノを、その「?」とともに、その脱力感とともに、”自由”な発想の無限性として、“自由”に受け入れること、これこそが、100均グッズの世界なのだ。

 とにかくひとつひとつに付されたコメントがすばらしい!
 鋭い指摘と100均商品への愛情にあふれていて、さらには、使用することば(ひらがなや漢字の使い方からワードそのものまで)のセンスも絶品。
 思わず声を出して笑いだしてしまうこと、請け合いである。(はっきり言って外で読むのはかなり危険だ)

 私の拙いことばでは、その面白さを伝えられないので、以下引用。

     「100均フリーダム宣言」より

        …
        100均フリーダム。
        それは、突飛な商品コンセプトの肯定。
        100均フリーダム。
        それは、大ざっぱなデザインの肯定。
        100均フリーダム。
        それは、細かいことを気にしない精神。
        …

     「○×ゲーム」(商品)より

        店頭でこの商品を見つけたとき、しばらく動け
        なかったことを憶えている。紙と鉛筆があれば
        できる、あの○×ゲームが、商品になっている
        のだ。パッケージの惹句も威勢がいい。「縦、
        横、斜めのうち3つ先に並べたら勝ち!」。知
        っている。誰もが知っているし、チラシの裏で
        もできる。しかしあえてそれを商品化したのだ。
        コロンブスの卵とはこのことである。「○×ゲ
        ームを商品化しよう」と発案した作者に、私は
        激しい嫉妬と羨望の念を覚える。



 もう、面白すぎてページをめくる手が止まらない。
 いずれのコメントも(商品も)甲乙つけがたいが、特に笑い転げたのが、「亀いちご」「ギョーザ&ジャム」「LOVEグラス」「英語バンダナ」など。

 目から鱗というか、価値観の転換というか、とにかく楽しい。 
 常識や美意識に捕らわれず、理屈や実用性に捕らわれず、気負わず、否定せず、固定せず。

 すべては、自身の視点を不動にせず、想像力を常に全開にしていること。
 それが、造られた“癒し”ではない、あらゆる意味でのヒーリングへと繋がっていく――。
 
 あぁ、”自由”ってこんなに格安で、ヘロへロで、ヨレヨレな、そして笑いの世界にあるのね…。
 年の瀬に凝り固まった心を洗い流し、新年を”フリーダム”な精神で迎えられるお薦めの一冊。
 百均ショップの廻り方も変わりそうだ(笑)。


 本年はこれにて。
 よいお年を! 

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ジャンル : 本・雑誌

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