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新章序章は、スパロウに多くを負う凡作 ―『パイレーツ・オブ・カリビアン4』―

『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』 監督 ロブ・マーシャル


Pirates of the Caribbean_4チラシ
 一応先の三部作は(DVDだけど)観たし、デップさまだし、ということで劇場に行ってみた。不死になれるという“生命の泉”のテーマにも惹かれるところあって。
 『ワールド・エンド』がいまひとつな感触だったので、通常(2D)版で(笑)

 かなりキャストが入れ替わっていると聞いていたが、キャプテンン・スパロウの周りは相変わらず(バルボッサがまだいることに驚き;笑)、先の3作で主役級だったオーランド・ブルームとキーナ・ナイトレイの姿がなく、「呪われた海賊」のテーマから一転して、新しい物語ということだろう。

 前作にチラリと出てきたスパロウの父親役としての(そのメイクの発想源としての)キース・リチャ―ズが出てくるのはお茶目だ。そしてその迫力は、俳優でもないのに息子スパロウすらも食ってしまう海賊ぶり♪あのダークなセクシーさは何をしていてもにじみ出て、本当に惹かれてしまう。好きだなーアブナイ魅力。

 物語は、今回登場したぺネロぺ・クルス演じるアンジェリカが、かつての恋人(?)として登場、昔のロマンスを匂わせながら、スパロウとともに「生命の泉」への旅に出る。そこには大海賊として名高い“黒髭”ティーチ(イアン・マクシェーン)が、アンジェリカの父として同行している。その魔法の剣で、船のロープを自由に操り、数々の海賊船を沈めてきた黒髭は、キャプテン・スパロウの愛船ブラックパール号もその餌食としていたのだった。
 同時に、スペインの王艦隊が、「生命の泉」を目指している。また、イギリス王国の命を受けたバルボッサ(公賊として貴族階級に入り込んでいる!)も後を追い、それぞれの思惑が絡みあって、三つ巴の争奪戦が繰り広げられる。

 生命の泉の効果を得るには、ある“儀式”が必要。それはとある海賊船に残されたふたつの聖杯に、人魚の涙と泉の水を合わせたものを飲んだ者が、泉の水だけを飲んだものの命を得ることができるというものだった。
 海の男たちをその美貌で迷わせ嬲り殺して喰ってしまう、と言われている人魚の捕獲、そして船に乗っていた宣教師と捕らわれの人魚との恋、聖杯の獲得を目指してのバルボッサとスパロウの協業など、敵味方入り乱れてのドタバタは相変わらず。

 新たなヒロイン、ぺネロぺ・クルスは、そのやや舌足らずに聞こえるスペイン訛りの英語と、黒髪のあどけなくも妖艶な美女ぶりが、なかなかスパロウと渡り合うに、得体の知れない“女”と気の強さを備えていてよい。
 
 ただ、先の3作に比べると、脚本の粗さが目立つか。
 他人を犠牲にしなければ叶わない<永遠>に対する逡巡やその選択の重さが、この宝のキーだと思うのだが、そこに感じているのはスパロウ独りで、その攻防なく突き進んで行くのがちょっとテーマの扱いとしてもったいないな、と。
 また、スペインとイギリスとの対立も含んでいるのだが、その政治的な背景も、前作に比べるとあまりにあっさりした構図にしかなっていない。
 そして「人魚の涙」を含むことが<永遠>を獲得する大切な要素なのに、その人魚の存在についても歴史についても、生命の泉との関わりについても、そうした厚みはなく、既存の生物であること以上に意味づけがなされていない。
 さらにはクライマックスでの黒髭父娘のやり取りも、よい皮肉と哀しみを背負っているのに、さらりと進んでしまった感が強い。
 それぞれの細かい要素はすべて意味を持ち、物語には活かされていくのに、その割には途中「長いな…」と中だるみを感じてしまう進行。これならまだ3作目の方がよくできていたな、と思わされる。

 先のシリーズでは、主役格のキャラクターがそれぞれに自分の思惑に従い、あるときは裏切り、あるときは協働し、あるときは対立する、海賊ならではの保身と処世が次々とたたみかけられて、あまりに人間的な卑怯さや汚さを含めて、先の読めないキャラクターたちの魅力が全開だったのに比すと、残念ながらその単調さと存在の薄さが目立ってしまう。

 その中でやはり光るのは、キャプテン・ジャック・スパロウの飄々とした人を煙に巻く言動と、苦笑と愛おしさを誘うそのやさしさ、何者にも支配されない、するりと身をかわしていく、軽やかで自由な孤高の精神だ。
 デップ自身が再度演じたがったというエピソードに納得する、活き活きと嬉しげな熱演は、観ていて楽しい。ひとつ難をいえば、デップさまもややお歳、もう少し頤のラインを引き締めてほしかったな、というのはあるが…(笑)。

 ラストは、さらに続編を予告するシーンで…あれ…?。
 全く事前情報なく観にいった後で、このシリーズも3話完結の予定だとか(!!)であれば、あっさりしたストーリー展開も、以降の伏線として見るべき?
 ゴア・ヴァービンスキーのてんこ盛りを壮大にまとめ上げた3作に、ロブ・マーシャルがどんな仕掛けを持ってくるのか、まだ甲乙はつけられないようだ。(やや盛り上がりには不安を思わなくもないが…)
 そして個人的にはもうバルボッサはいいかなーと(まだ生き残っている…!)。

 音楽はよい。定番となったテーマソングのアレンジも、そしてスペインのイメージを色濃く持って来たところに、ロドリーゴ・イ・ガブリエーラのギターを入れたあたり、独特の味わいを付与している(ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ大好き!)。

 さて、(料金的に)3Dはおススメしないが(笑)、キャプテン・スパロウの魅力を楽しむにはよい。「映画の日」とか「レディース・ディ」料金ならなおよし、かな。

 思えば、今回一番ハッピーだったのは、美しい人魚(アストリッド・ベルジュ=フリスベ)に恋した宣教師じゃないか…?
 その意味では、人魚の映像美は(怖さも含めて;笑)一見の価値あり。

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